こんにちは。マレーシア担当の浮ヶ谷です。

 

日本では冬となったこの時期に、出張でマレーシアやシンガポールを訪れると、ある違和感を感じることがあります。

 

それは……、外では30度超えの汗だくになる気候なのにもかかわらず、ショッピングセンターの中ではコートやダウンなど、見るのも暑い冬物が堂々と売られていること!

 

しかも、その店だけが特別なのかと思いきや、異なるブランドでも同じように冬物がディスプレイされているのを目にしました。

 

常夏の国なのに、冬物が売れるのか。売れるなら、いったい誰が買うのか? 今回はそのあたりをひも解いてみたいと思います。

 

 

30度超えのマレーシアで、複数ブランドが冬用商品を展開中!?

冬物のダウンジャケット写真

 

言わずと知れた赤道近くのマレーシア。マレーシア政府観光局の気候情報を見てみると、年間の日中平均気温は27〜33度。クアラルンプールの最高気温は、1年を通して32〜34度と、イメージどおり、常夏の気候です。

 

だからこそ、汗をかきながら外を歩いて、大型ショッピングセンターに入ってダウンジャケットを発見したときの違和感はなかなかのもの。大手ファストファッションブランドが、冬用下着からマフラーなどの小物、アウターまで、冬物をメイン商品として打ち出してディスプレイしている様子を、複数の店舗で目にしました。

 

しかもそのファッションブランドもひとつではなく、いくつかの競合ブランドにおいて冬物商品が展開されているのを発見しました。「マレーシアで冬物を売る」が定着してきているのを感じます。その理由について考えてみました。

 

 

1.海外旅行をする、富裕層に向けてアプローチ?

冬の雪景色写真

 

まず理由として考えられるのは、旅行用。近年、東南アジア全体で富裕層の増加が確認されていますが、マレーシアも例外ではありません。ともなって、海外旅行人数も増加しているといいます。

 

JETROライブラリにて参照した『2015 Business Monitor International Ltd』によると、マレーシアの1世帯当り可処分所得がUSD75,000以上の世帯が占める全体の割合は、2004年の8.7%から、2011年では9.1%と実績ベースで着実に増加。世帯数でみると、2004年の46万8200世帯から、2011年では59万9600世帯へと増加しています。その後、2019年の予測数値では72万3900世帯、9.4%にのぼると見込まれています。

 

また以前、「タイ人観光客が北海道で急増している、3つの理由」という記事でもありましたが、せっかく海外旅行をするならマレーシア現地では味わえないことがしたいと、「雪」や「紅葉」などの異文化体験を求め、寒い季節の日本や中国への旅行も人気なのだとか。

 

マレーシアの日常ではあまり目にしない服装だからこそ、店頭で積極的にディスプレイすることで、「特別感」「レジャー」「海外旅行」を想起させ、富裕層の購買意欲を誘う、ということもあるのかも……?

 

 

2.室内は冷房がガンガン。女性オフィスワーカー向け?

オフィス 防寒

 

もうひとつ、実感をともなって思いつくのは、室内の冷房対策用。ASEAN各国はどこの国へ行っても感じますが、日本とは比べ物にならないほど、オフィスやショッピングセンターなどの中の冷房がガンガンに効いています。

 

男性の私でもそう感じるので、いくら現地のスタンダードだとはいえ、冷えに弱い女性には長袖や冬用グッズも重宝するのでは。実際現地の女性に聞いてみると、「寒いからストールを羽織っている」という人も。

 

こちらはダウンやコートというよりは、冬用インナーやストールなどの小物などに需要がありそうです。

 

 

まとめ:ASEAN各国で、冬物商品にも商機あり!?

マレーシア ショッピングセンター

 

その他にも理由は考えられると思いますが、メインはやはり、富裕層の旅行向けではないでしょうか。

 

また、冬物をきっかけに恒常的に富裕層が足を運ぶ店づくりができれば、その他のアイテムも波及的に売上が増加する可能性が見込めるのではないかと思います。

 

さて、今回は出張時に目にした光景をもとに、常夏の国で冬物が売れる理由について考えてみました。

 

ASEANのように暑い国々では夏物しか売れない?と思いきや、発想を転換すれば冬物アイテムが富裕層に求められている可能性も……? この「売れるヒント」、洋服以外にも展開できるかもしれません。

 

 

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