こんにちは。トライマーケット編集部の樋口です。

 

昨年12月に日本百貨店しょくひんかんに期間限定で展開されたコーナー「森永新研究所」。このコーナーに並んだのは、あの大手お菓子メーカーである森永製菓の研究者による直販プロジェクトから生み出された商品でした。

 

後編では、森永製菓の新たなチャレンジである「森永新研究所」の立ち上げをサポートした日本百貨店とのコラボレーションの実現についてお届けします。

 

大企業の中の「職人」。その存在にあらためて気づいた

日本百貨店 鈴木氏と森永製菓 金丸氏
 

Q.日本百貨店との出会いについてお伺いします

森永新研究所 金丸氏:
共通の知り合いを介して、当時トライステージ様で日本百貨店の事業担当者をされていた木村さん、日本百貨店の鈴木社長に引き合わせていただいたのがきっかけです。実は最初から森永新研究所でのコラボというわけではなく、私が手掛けている仕事のどれかでご一緒したいなという感じで、いろんなお話をさせていただきました。

ところが、鈴木社長から日本百貨店の成り立ちやコンセプトを伺っているうちに、これは森永新研究所の展開の場としてぴったりなんじゃないかと思ったんです。すぐにこちらでの商品販売をお願いしました。

日本百貨店 鈴木:
実は最初引き合わせていただいたとき、正直ご一緒するイメージがなかったんです。日本百貨店ではそれまで、個人で、あるいは小さな規模でコツコツ作っている日本のいいものをもっと知ってもらいたいと思って、商品を選定してきました。一方、森永製菓さんといったら日本を代表する大手お菓子メーカー。ネームバリューも販路も、もう十分に持っています。これは日本百貨店とは親和性がないかなと思いました。

でも、金丸さんのお話を聞いて反省。会社の大小に関わらずモノづくりの人はいるわけで、そしてモノづくりに対する情熱だって変わるわけじゃない。その時、「職人」っていう言葉が浮かんだんです。これは語弊があるかもしれないんですが、たとえば「あの人は職人だから、納期が遅れても仕方ない」などの表現には、「あの人には職人ならではのモノづくりへのこだわりがあるから、納得いくものを作り出すには時間が必要な時もある」という意味を含んでいたりする。もちろん、「職人」を名乗るには、その人の力量や生み出すもののクオリティがハイレベルであることは大前提です。

大企業の中でモノづくりをする人はその道のスペシャリストでありながら、自分たちも「職人と」名乗らないし、周りからも「職人」と見られない。私自身、「企業」というフィルターを通して見てしまっていた。モノづくりへの情熱があれば、会社の大小は関係ない。それなら日本百貨店は最適な場所を提供できると思ったんです。

 

Q.具体的にお話をしていく中で、やはり最適な場だと

森永新研究所 金丸氏:
プロジェクトを進めていく中で、開発の商品の展開場所は大きな課題でした。クラウドファンディングか、または既存の森永のアンテナショップか、大きくこの二択でしたね。でも森永のアンテナショップは、すでに森永ブランドを打ち出している場所。お客様も森永の商品を好んでくださっている方が多いわけです。森永新研究所の商品は、そのバイアスがないところで出していきたいと考えていました。多様な価値観のいろいろな人に、それこそお菓子を買いに来たわけじゃない人にも触れてほしかったんです。

今の消費者は、「どういう背景を持って作られたものなのか」というストーリーから商品を選び、それぞれのライフスタイルの最適な場所に持ち込む。日本百貨店のモノに対する考え方はまさにこれでした。

改良を重ねて量産化へ。新たな商品開発スタイルにしていきたい

店頭の風景1
 

Q.実際に店頭で販売されてみていかがでしたか?

森永新研究所 金丸氏:
売り出しの初日と土日や祝日などは、その商品を開発した研究員が店頭に立たせていただきました。お店に立つことも、お客様とお話しすることも研究員にとっては初めての経験。最初は緊張していた人も、自分の商品に対する生の反応に触れていくうちにだんだん夢中になって接客していました

日本百貨店 鈴木:
研究員の人の表情がいきいきして、本当に楽しそうにお客様とお話していました。「モノづくりの仕事の醍醐味を見つけた」、って感じがしましたね。

店頭の風景2
                店頭で商品説明をする研究員

森永新研究所 金丸氏:
研究員の人たちはやはり縁の下の力持ち的な役割という認識から、店頭に出ることに抵抗がある人は多かったんです。でも、自分が開発したものが商品としてどんどん完成していく、そのすべての工程のジャッジメントに関わる中で、やはり直接お客様の反応を見たいという気持ちになったんだと思います。最終的には店頭に立ちたいと手を挙げる人は20名にものぼりました。

 

Q.今後の展開についてお聞かせください

森永新研究所 金丸氏:
第一弾の取り組みとして12月の期間限定販売を実施しました。まだ時期は確定していませんが、第二弾もぜひやっていきたいと思っています。第二弾ではもっと多くの研究員が手を挙げてくれるのではないかと今から期待しています。まずは、第一弾の成果を形にできてから。12月の結果とその後の展開を図りながら、次回を企画していきたいと思っています。

日本百貨店 鈴木:
今回は日本百貨店しょくひんかんで展開しましたが、今後はほかの店舗での展開なども考えていきたいと思っています。日本百貨店も店舗によってお客様の層は少しずつ違う。もっともっと多くの人に触れてもらう機会を提供していきたいですね。

 

 

以上、森永製菓株式会社の金丸氏と日本百貨店の鈴木に聞きました。

 

「モノづくりに対する情熱」という共通点を通じて実現した今回のコラボレーション。ぜひ、取り組みの中から広く販売につながる商品が生まれることを期待したいですね。

 

今回の取り組みでは、日本百貨店がお手伝いできることの可能性がまたひとつ見えました。これからも日本百貨店は作り手の情熱がこもった優れた商品を、広く世に知らせてまいります。

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