こんにちは。トライマーケット編集部の樋口です。

 

当社はこのたび、ソーシャルコマース事業に本格参入すべく、最先端のITサービスを国内外で展開する株式会社見果てぬ夢と連携することとなりました(プレスリリースはこちら)。

 

今回は、株式会社見果てぬ夢 代表取締役社長兼CEOの下山二郎氏に、ソーシャルコマース市場の現状と今後の展望について伺いました。

 

オンラインとオフラインの「思い」をつなぐ。そこに新たな消費が生まれる

株式会社見果てぬ夢 代表取締役社長兼CEOの下山二郎氏

 

Q.御社の提供サービスについてお聞かせください。

 

当社は2004年5月、「最初から世界」を合言葉に創業しました。めまぐるしく加速するビジネスシーンに活用できるITソリューションを研究開発から技術提供・サービス提供にいたるまで一貫して自社で行っています。現在、世界28ヶ国、約10万社にて我々の技術をご活用いただいています。

 

創業は「働く人たちが怒られないサービスを作りたい」という思いから。私はもともと通信業界に身を置き、携帯電話やインターネットの黎明期からその普及に携わってきました。その技術の進歩や普及により、私たちは常に世の中とつながり、24時間どこにいても仕事ができたりサービスを受けたりできる環境が実現しています。でもこれは同時に、常に何かが動いていて、それを管理したり膨大なデータを処理しなければならないという状況も生み出しました。

 

「常につながる社会」では、人々が仕事から完全に離れて休める時間がなくなってしまった。普及に関わった身としては、苦い思いを抱えることになりました。そこで、何倍も忙しくなった人々を助けるために、それら多くの「○○しなければならない」というタスクをできるだけ自動化し、ヒューマンエラーを防ぐような仕組みを最先端技術を活用して提供しています。多くが技術提供という形なので当社の名前は表に出ませんが、実はみなさんの生活の中にも私たちの技術は活用されています。

 

Q.今回のパートナーシップでは、どのようなソリューションを提供されるのでしょうか。

 

今回のソーシャルコマース領域での連携では「オンラインとオフライン」をうまくつなげる仕組みを実現していきたいと思っています。もはやSNSという言葉も聞きなれましたが、それらを使用していると多くの広告がプッシュ型で表示されます。「別にこの商品欲しくないんだけどなぁ」なんていうご経験は、みなさんにもあるのではないでしょうか。これらの情報は、利用者が開示している「30代、男性」などのプロファイルにもとづいて掲示されています。

 

当社が提供するソリューションは、利用者がユーザードリブンで欲しい情報を入手でき、かつ提供する側の思いを伝える仕組みです。プロファイルの開示をすることなく、欲しい情報を入手する仕組みを人工知能を使って可能にします。

 

たとえば、100個しか生産できない高品質なダイヤモンドがあるとします。流通コストなどが乗ってしまうとひとつ1000万円にものぼる価値のものですが、生産者は本当に買って欲しい層に届くなら100個限りを100万円で提供したいと考えています。そこで当社の技術を活用し、SNS上に「近々自分もしくは身近な人の結婚などが決まり、人生の記念になるモノを探している」という情報を発信している人を選抜し、その人たちにだけ限定で100個限定のダイヤモンドの情報を伝えるのです。実際にこの方法で100個のダイヤモンドが一週間で完売しました。

 

SNSのタイムリーなインタラクティブ性が、新たな市場をもたらす

株式会社見果てぬ夢 代表取締役社長兼CEOの下山二郎氏

 

Q.ソーシャルコマース市場の展望についてどのようにお考えでしょうか。

 

2010年にSNSという言葉がメジャーになり、以来ものすごい勢いで利用者は伸び続けています。SNSは、「自分にとっては興味のある・価値のある情報が、相手にとっても必要かもしれない」ということを顕在化しました。興味があれば「いいね!」やコメントを寄せる。そこから「この人も●●が好き」や「この人もこれを欲しいと思っている」などの嗜好がわかります。その一方で、個人の小さなつながりの中で流通し始める情報は、発信者の強い思い入れや商品などの本当の良さが連動しないと大きく波及しません。そのため、ビジネスが成り立ちにくかったのです。

 

ところが、SNSの中にLINEなどに代表される「チャット」というインタラクティブ性を持つものが普及し、状況が変わりました。なんらかのニーズを持つ人が「●●のカウンター」に行くという感覚です。こういった役割を担っていた代表的な存在としてコールセンターがあります。コールセンターの平均待ち時間は1分15秒。しかし、75秒で4割の人が離脱してしまうというデータがあります。その点、チャットはその即時性から離脱を防ぐことができる。コールセンターと違って大きな設備投資がなく、運営コストが小さいことなどの利点も挙げられます。当社はそこにも技術提供していますが、大きな市場があると感じています。

 

ダイレクトマーケティングは豊かな人生を演出する「ライフデザイン」

株式会社見果てぬ夢 代表取締役社長兼CEOの下山二郎氏" width="1000" height="728" class="alignnone size-full wp-image-2879" />

 

Q.今回の連携を通じて、2社で実現していきたいことをお聞かせください。

 

ダイレクトマーケティングとは「タイムアンドモニター」だと考えています。つまり、時間とモニターの奪い合いです。ほんの50年前までモニターは100人にひとつ。街角のテレビに群がる人々や一家に一台のテレビを家族全員で見るなどが通常でした。つまり、同じ情報を一度に目にする人が多かったのです。しかし今ではひとり当たり17台のモニターを持つ時代(※注)。日々膨大な情報に囲まれ、多くの情報は埋もれていく状態です。そのモニターにいかに情報をカスタマイズして流し、消費欲求を高めるかが鍵だと考えます。

 

そして時間。ダイレクトマーケティングとは狭義で言えば「モノを売る」ことですが、広義で言うと生活に便利さや豊かさやスパイスを提供する、いわば「ライフディレクション」であると考えています。時間、もっと言うと人生には限りがあり、その人生をいかに豊かに満たしていくか。様々なモノが飽和する今、いかにひとりひとりに寄り添うか。ダイレクトマーケティングの役割は変わってきていると思います。

 

今回の連携では、作り手と消費者の、いわばオフラインの思いをオンライン上でつなぐような流通を実現できると考えています。たくさんの商品を揃え大量消費を促すネット通販サービスがが世の中を便利にする一方で、日本百貨店のようなより嗜好にあった、選りすぐりの品を揃える店に多くの人が集うのは、その象徴だと思います。

 

そうして蓄積した情報とノウハウを使って、将来的には「ライフデザイン研究所」を作りたいですね。人が生きる限り消費は必ず起こります。その人の生活や嗜好に寄り添い、人生を彩るお手伝いをする。実はもう着手しているんです。近い将来、実現すると思います。

 

(※注)ひとり当たりモニター数の算出根拠について
家庭にテレビ2台、PC1台、タブレットPC1台、スマートフォン1台=5台。PC・タブレットPC・スマートフォンは個人所有するケースを鑑みると、4人家族では家庭内に14台のモニターを所有する計算となる。さらにオフィスや学校など外出先でモニターを見る機会として3-4台。計17台のモニターが身近に存在する。これは平均値で、ひとり暮らしの場合は7台程度と推定。

 

以上、ソーシャルコマース市場について、株式会社見果てぬ夢の下山二郎氏にお伺いしました。私たちの生活に浸透してきたSNSが新たな市場となり、ダイレクトマーケティングのあり方も変えつつあります。世界共通のプラットフォームであるSNS。海外展開の上でも重要なソーシャルコマース、今後の展開もご期待ください!

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