こんにちは。トライマーケット編集部の樋口です。

 

2016年3月1日付で、当社のグループに加わった「日本百貨店」事業(プレスリリースはこちら)。“ニッポンのモノづくりとスグレモノ”をテーマに、自社で目利きした日本各地の特産品、名産品を販売する店舗展開を行っています。

 

先日こちらの記事でも、その事業承継の経緯・背景についてご紹介いたしましたが、この度、同事業を創業された株式会社日本百貨店代表取締役 鈴木正晴氏に、本事業の創業からの経緯や今後の展望についてインタビューさせていただきました。

 

日本の真剣な“モノづくり”職人さんが儲かるために

日本百貨店_鈴木氏

 

Q.「日本百貨店」を創業された経緯を教えてください。

 

商社から独立し、洋服を輸出する事業を経て、日本の雑貨・食品を国内で販売するお店をはじめました。「日本人が日本の良さを理解していないんじゃないか」という想いを持ったことと、日本の製品に対して、「こんなにいいものをつくっているのに、なぜ、儲かっていないんだろう?」という理不尽に感じるところがあったからです。

 

そこで、日本の真剣にものをつくっている方の商品をどんどん良くしていきたい、売れるようにしていきたい、という想いから、なんでも扱えるよう「日本百貨店」という名前をつけました。

 

Q.これまで、どういう想いで広げてこられたのでしょうか?

 

2010年12月に、上野御徒町に1店舗目をオープンしました。しかし、翌年3月11日、東日本大震災でお店はぐちゃぐちゃになり、オープン早々誰もこなくなりました。それでも毎日お店を開け続けていると、ゴールデンウィークの初日、お店の前に人が並んでいたんです。冗談かと思いました。

 

お客様に聞いてみると、「日本のいいもの、特に東北のいいものも扱っていることを雑誌で見て、買いにこれる休みの日を待っていた」というのです。「やっている価値がある仕事というのは、こういうことだな」と、とても嬉しくて。お店を開けていてよかったなと思いました。

 

もう一つ、原動力となっている出来事がありました。それは、あるブリキ職人のじいちゃんから言われた一言です。

 

とてもかわいいブリキのおもちゃをつくっていて、息子さんもいるのに跡を継がないというので、つい「もったいないじゃん、つづけてよ」と言ってしまいました。

 

それに対してじいちゃんから怒りと共に返ってきた言葉は「儲からないからやめるんだよ!儲からせてくれるのかよ!」でした。それに対して、「じゃ、儲からせてやるよ、じじい」と言いきりました。このじいちゃんとの約束を果たすためにも、お店を増やしていこう、お金を回す仕組みをつくっていこうと決めました。

 

地方の職人さんがいいものをつくって、それをもっと売りたいなと思った時に「日本百貨店に相談だ」と思われるような、大きな仕組みをつくっていきたいと強く思う原動力は、こうした経験にあります。そのためにも、人のたくさん通るところに店を構えて、こうしたいいものを手に取ってもらえるようにしたいと思ったのです。

 

お店は、作る人・使う人・売る人が出会う場

日本百貨店

 

Q.「日本百貨店」は、どのような特徴があるのでしょうか?

 

こういう経緯で、やってきたものですから、日本百貨店の特徴の一つは、ものの素晴らしさを伝えるのではなく、「この人がつくったから安心して買ってください」と、「人」がベースにあるということです。もう一つは、その人との出会いを大事にするあったかいお店であること。作る人、使う人、売る人が出会う場になりたいと思っているんです。作り手さんが店頭で実演していて、気軽に使い手さんと出会いがあり、スタッフもそこに参加している。全員が仲間なんです。

 

日本百貨店

 

Q. 現在、トータルでお取引先900社、8000品目ほどの扱いがあるそうですが、それだけの仕入れをどのように実現してこられたのですか?

 

1件1件、自分がいいと思うものを仕入れてきました。しかし、最初は誰も会ってくれず、全く商品が揃いませんでした。そこで、各地に飛行機で飛び、道の駅で美味しそうなものを買い、いいと思ったら駐車場から作り手さんに直接電話します。「そこまでするなら」とやっと会っていただけました。そうやって、徐々に増やしてきました。

 

そうしているうちに、2013年に転機が訪れました。秋葉原の“日本百貨店しょくひんかん”は場所がよくて、自治体の方にも知っていただけました。私たちのお店は、皆仲間で、フラットな気持ちでいいものを紹介しよう、というスタンスです。どういう商品がいいか、どういうお客さんが買ってくれたか、作り手さんに好き放題言います。その様子をご覧になって、これはアンテナショップとちょっと違う、と思っていただけたからなのか、各自治体の方が応援してくださるようになったのです。プレイヤーとして、在庫を持って一緒に売ろう、としている点から本気が伝わったのではないかと思います。それ以来、自治体の方が、作り手さんをご紹介してくださることも増えてまいりました。

 

いいものが売れるための大きな仕組みをつくる

日本百貨店

 

Q.今後の展望を教えてください。

 

手作りの工芸品は、多くはつくれないので1点1点売る今のお店が必要です。一方、日常に寄り添う“食品”は、より店舗を広げて、いいものをたくさんご提供できる体制を作っていき、また工場で多数作れる地方の製品は、ECや、通信販売を使って広げていく仕組みにしたいと思っています。今回、トライステージ社と一緒に取り組むことによって、こういう土俵をつくることができるようになったのは大きなことです。

 

職人さんとも約束したように、「いいものが売れる為の大きな仕組みをつくる」ことを実現しようとしたら、一人ではできません。やるぞと決めたからには、その「大きな仕組み」を絶対に実現させたいので、その意味でもトライステージ社の力が必要だと思いました。

 

7月には、長年の夢だった東京駅にも出店が決まっています。

 

これからは、アジアで日本のいいものを通信販売で広げたいですし、海外でも「触れ合う出会いの場」を作りたいと思っていて、ニューヨークでの出店を目指しています。

 

 

以上、「日本百貨店」の現在に至るまでの経緯と展望を、株式会社日本百貨店 代表取締役 鈴木正晴氏に伺いました。3月15日に発表された「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」の受賞商品も、「せっかく受賞されたものなので是非手に取っていただきたい」とのことで、店頭に並ぶよう計画中だそうです。こうして、こだわりの作り手さんの商品に触れる機会が増えていくことは、消費者にとっても大いに楽しみですね。

 

 

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