こんにちは、トライマーケット編集部の樋口です。

 

さて、あまり知られていない「ラジオ市場」の隠れた魅力に迫るシリーズ、第2弾。

 

先日の記事、「実はラジオが熱い?!メディア激動の時代に、30年間「安定の横ばい」を続けるラジオのヒミツ」では、ラジオ市場のリアルについて話を聞きました。

 

このような市場環境の中、特に40代以上の世代をターゲットにした「ラジオ通販」市場は、ここ数年で着実に伸びている、とのこと……?!

 

ということで今回は、そのあたり。再び当社メディア部 ラジオグループ 担当部長の今泉亜矢を訪ね、最近の「ラジオ通販」をテーマに話を聞きました。

 

 

ラジオ通販のシェアは、10年で約4.6倍に

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Q.近年のラジオ通販事情について教えてください。

最近は通販自体が高年齢向けになってきていますが、同時にラジオは主なリスナーが40代以上という特徴があるため、通販のターゲットとしてはまさにぴったりのメディアです。トライステージでもエルダー層(50代以上)に向けたラジオ通販を手がけて8年になりますが、確実に伸びてきています。

 

ラジオCMにおけるラジオ通販の割合をみると、クライアントの出稿シェアは年々増加していて、2003年から2013年の10年で約4.6倍に伸長しています。そして、ラジオCM全体の約3割が通販案件です(※当社調べ)。

 

これはあくまで出稿秒数に対するシェアですが、10年前は、まだそれが1桁台でした。6〜7%程度しかなかったシェアが、約30%まで伸びてきている。これはラジオ通販市場の特徴だと思います。

 

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Q.伸びてきている背景は、どのようなところにあると考えますか?

ラジオ活用方法が認知され始めた、というところでしょうか。テレビ通販では数千円、数万円単位の商品が多いですが、ラジオ通販では「500円のお試しから」など、手の届きやすい価格帯のメッセージをお届けして、まずは新規のお客様に気軽に試していただくという形が成功しはじめ、現在も増えています。

 

ラジオでは、絶大なるパーソナリティさんの信頼が、大きな影響をもたらします。「このパーソナリティさんが薦めてくれるなら」という気持ちに加えて「まずは一回買ってみようかな。この値段なら試してみたい」という気軽さで背中を押されるリスナーが多いようです。まずは新規のお客様を獲得するというのがメインのポジションになると思います。

 

Q.出稿秒数が増えている背景には、長い尺が増えているということもありますか?

そうですね。ラジオは20秒が区切りなので、一番短いCMで20秒ですが、ラジオ通販では60秒〜240秒くらいの尺を使います。出稿シェアが増えているのにはそういう背景もありますね。

 

以前は告知のCMが多かったんです。20秒の中で、内容は言わずに「資料を送りますのでフリーダイヤルまで」というケースや、フリーダイヤルは言わずに「こういう商品があります。お求めは近くのスーパーで」というケースなど、どちらかというとブランド力や認知を高めるCMが多かったように思います。

 

 

朝6時台でも1,000件超えの受注実績。早朝に強いラジオ

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Q.ラジオ通販に多い商材は…?

最近は医薬品や保険に加えて法律系が多くなっています。フリーダイヤルで資料請求につなげるものや、中古車の買い取りなどはもともと多いですね。もちろん、健康食品や教材系、化粧品も、シェアとしては高いです。

 

医薬品や健康食品が多いのはテレビも同じですが、保険や中古車販売のシェアが高いというのは、やはりカーラジオとの結びつきというか、車の運転手との関係が強いメディアだからだと思いますね。

 

Q.ラジオ通販には「早朝に強い」という特徴があるそうですが。

リスナーが、番組やパーソナリティさんのファンであるというところが大きいと思います。「こんな時間、聞いていないのでは……?」と思うような早朝5時台や6時台であっても、何十件、何百件と電話がなるんです。

 

例えばある著名なパーソナリティさんの、朝6時台にあるOAでは、美容系商品で1,423件の受注なんてことも起こりえるんです。通常でも100件、300件など、数百件単位の電話が鳴ることは多くあります。一般の感覚で言えば、「そんな時間に購入する人がいるんだ」と思うかもしれませんが、嬉しいことにお電話をかけてくださるんですね。

 

ラジオのタイムテーブルも、昔は「朝の5時台は爽やかな音楽を流しておこう」という局が多かったですが、最近はもう朝4時くらいから編成を変えていて、どんどん早朝を活用したメディアになっています。

 

 

パーソナリティの方と連携し、「音」だけで商品特性が伝わる表現を練る

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Q.ラジオ通販番組制作にあたり、当社ならではの強みや、工夫している点は?

 

テレビでは29分や60秒の完パケ素材をつくって流す、というフローですが、ラジオはあくまでもそのワイド番組のパーソナリティさんの番組の中に入れていただくので、そこに馴染むつくりを意識しています。パーソナリティさんのお力をお借りして、リスナーに違和感なく伝わるような原稿をつくらせてもらっていますね。

 

パーソナリティさんの実感や体感をリアルなコメントでリスナーに届けてくれる、共有してくれる。そんな親しみやすさもラジオの魅力のひとつです。

 

原稿作成のうえでは、商品の訴求ポイントを明確にすることを大切にしています。例えば、その商品はチューブ型なのか、ボトルなのか、どのくらいの大きさなのか。あるいは健康食品なら、粉末なのか、錠剤なのか、液体なのか。そういった商品特徴が伝わるように、文言はもちろん、音を出したり、飲んでいただいたり。音と声しか伝わらないメディアですので、パーソナリティさんと連携して表現を工夫していますね。

 

 

低予算で始められるラジオ通販は、テレビ通販の第一歩にも最適

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Q.通販というとやはりテレビのイメージが強いですが、ラジオならではの強みは?

これまでお話してきた媒体の特性に加えて、限られた予算の中でも実現できる、という面が非常に大きいと思います。当社のクライアントでも、まずはラジオ通販から入って「売れる」と成果を確認した後に、テレビ通販へ移ったというケースは珍しくありません。また、テレビではOAまでに2、3ヵ月かかりますが、ラジオは原稿だけですので、場合によっては数週間前でもできます。

 

つまり、テストができるんです。例えば同じ枠を使って、今月は「10日分の1,000円」、来月は「1ヵ月分の2,000円」でやってみましょう、ということもできます。ラジオは、テスト媒体として使いやすい媒体だと思いますね。

 

Q.柔軟さは、まさに生放送のラジオならではですね。

私自身、もともとはテレビ通販を担当していましたが、ここ数年ラジオを担当していて、ラジオの「手作り感のある媒体」という柔軟性に面白さを感じています。最近の流行や季節の文言を入れたり、パーソナリティさんの近況とからめたり、少しずつカスタマイズもできるので、テレビとはまた違った広がりがありますね。

 

もっと皆さんに、ラジオを知ってほしいなと思うんです。テレビへの足がかりでもよいですし、マーケティング要素を含んだテスト媒体としても活用いただくことができますので。

 

商品の価値を上げて、リスナーに共有して喜んでいただく。そんなラジオは、通販の最初の一歩として、とても面白いメディアです。また、他媒体よりもラジオが一番好き、効率が一番いいというクライアントもいらっしゃいます。「商品はあるけれど、通販にまだ踏み込めないんだよね」と考えている企業の方にとって、何かのきっかけになれば嬉しいですね。

 

 

以上、今回は「ラジオ通販」をテーマに、当社メディア部 ラジオグループ 担当部長の今泉に話を聞きました。

 

パーソナリティさんとのかけあいや生放送など、ラジオならではの親しみやすさ、距離感の近さは、確かに通販との相性もよさそうですね。

 

ラジオ通販の活用方法、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

 

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