こんにちは。インドネシア担当の西岡です。

 

成長を続けるインドネシア市場の今をお届けするレポート。後編では、ダイレクトマーケティング市場の現状についてご紹介します。

 

 ダイレクトマーケティング市場の今

 

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■ダイレクトマーケティングの現状
 
EC、カタログ通販、テレビ通販など無店舗販売の購買システムはひと通り存在しますが、いまだ圧倒的な強さを持つのが店舗販売です。実はインドネシアは「ショッピングモール文化」。ジャカルタだけでも200近いショッピングモールが立ち並び、買い物はもちろん、特に用事がなくても暇があればショッピングモールに行くことが根づいています

 
とはいえEC市場も徐々に成長しており、メイン利用者である30代~40代の主婦層をはじめ、利用者は増えてきています。また、多くの島からなるインドネシアでは、都市部以外の地方ユーザーの利用も増えつつあります。楽天などの大手が進出し、市場が形成されたのが5~6年前、2014年にドイツのRocket Internetなどが中心となって展開し、近年急速に成長している「Lazada」がサービスを開始した頃から大きく成長しはじめています。

 

■テレビ通販市場を取り巻く環境
 
テレビ通販市場も、これから本格的な成長が見込めるいわば黎明期です。肌感覚での市場規模感は下記資料の予想を上回っており、正確な市場規模数値は不明ですが100億円程度ではないかと思います。現在は大手企業3社を筆頭に数社がテレビ通販事業を手がけていますが、特徴的なのは、大手3社以外は放送地域を選ぶなど棲み分けをしていることです。販売商品やターゲットによって事業者を選ぶという選択肢もあるわけです。

 

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ASEAN各国のテレビ通販市場規模推移(単位:JPYm)
出所:Euro monitor Home shopping Thailand 2016、同Singapole2015、同Indoneshia2014、同Vietnam2014

 
テレビ通販の場合、現在は紹介した商品はほとんどをコールセンター経由で受注しています。しかし、インターネットやECの普及により購入ルートの選択肢が増えてきているため、紹介した商品を別のルートで購入されないよう、販売価格の管理や取り扱い商品の独占販売権を取得するなど、今後は留意することも必要でしょう。

 

しかし、テレビの普及率が高いタイでも、日本と同様に若い世代のテレビ離れという現象は業界の課題となっています。テレビ通販のユーザーとしては40代以上の主婦層が多いため、そこをメインターゲットとした商品構成が望ましいとされます。バンコク市内よりも郊外に住む層からの利用が多いのも特徴です。

 

■テレビ通販で人気の商材とKBF(Key buying Factor)
 
メイン消費者はEC利用者と同じく30代~40代の主婦層が多いため、商品は家庭雑貨の類のものが人気を集めています。

 

インドネシアの人たちは消費意欲が高く、一般の人でも貯金をしているという人はあまりいません。給料日などはすぐにATMで出金し、仕事が終わったらショッピングモールに行くという感じです。つまり、「お金を持っていれば使う」ため、プロモーションを仕掛ける時期が非常に重要だといえるでしょう。

 

■インドネシアで人気の高い「Made in Korea」
 
本レポートの前編でも少し触れましたが、インドネシアにおいては「ジャパンブランド」の印象は良いものの、実際に人気があり大きなシェアを持つのは韓国製品です。韓国は早くからインドネシアをはじめとする東南アジア圏に着目・進出していますが、そういった先行者利益に加え、対象となる国をきちんとターゲティングした製品の企画・製造し、自ら販売しているところが彼らの強みではないかと思います。もちろん価格も現地に受け入れられやすい設定にしています。

 

韓国企業の特徴として、駐在員の駐在期間の長さが挙げられます。他の国が通常3~5年であるのに対し、彼らは10年・20年駐在している例もめずらしくありません。そのため、ローカル市場に対する深い理解と広い現地ネットワークを有します。それらの経験やノウハウを用いて製品開発をしているわけです。

 

対して日本企業は現在、日本市場向けに製造した製品を流通させています。「ジャパンブランド」の品質の高さは非常に評価されていますが、車のように命に関わる品質を求める製品と違い、生活用品においては最重要視される点ではありません

 

後発部隊の日本が今後「Made in Korea」に対抗していくためには、今よりももっと深く現地に根づく努力と、現地のニーズに適した製品の開発も視野に入れる必要性を感じます。その取り組みの中に「ジャパンブランド」の信頼性を差別化要素として組み込み、浸透させていくことが、日本ならではのブランディングになるのではないでしょうか。

 

■FDAの取得期間やその対象商品
 
FDA認証はもとより、製品の輸入全般に関して不明瞭な事項が多くあります。担当者によって指示が違うこともしばしばあるため、まずは実務経験が豊富なローカルスタッフを確保するなどの対応が重要です。

 

■クレジットカードの利用率と決済方法
 
他のASEAN諸国と同じくクレジットカードの利用者は少なく、決済方法は多くがCOD(Cash on Delivery)、ついで振り込みとなります。また、「Installment」と呼ばれる分割払いのシステムが確立しており、数百万ルピアを超える買い物では利用する人が多いのも特徴です。インドネシアで高額商品を販売する際には、支払い方法として準備することも重要なポイントです。

 

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以上、2回にわたってお届けしたインドネシアの市場レポートでした。

 

ASEANの中でも膨大な人口と、多くの島で構成された国土を有するインドネシア。長く続いた政権が変わり、新たな試みも打ち出されていますが、ダイレクトマーケティングに関しては、これからの成長が期待できる段階と言えるでしょう。
 

私が現地に赴任してみて感じるのは、自分たちが持たなければならない現地の感覚の必要性です。これはローカルスタッフを抱えればいいのではなく、ビジネスを展開する側として自らが深く理解しなければ、現地で本当に求められているものを流通させられないと感じます。
 

まだまだ未知数のインドネシア。現地にいるからこそ分かる市場環境や情報があります。ぜひ一度、トライステージにご相談ください。

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