こんにちは、トライマーケット編集部の樋口です。

 

さて「インフォマーシャル=『モノを売る』とは限らない?!」に続き、日本国内のインフォマ事情を知るシリーズ、第2弾。今回は「日米におけるインフォマ事情の違い」をテーマに、再び当社・第一営業部長の玉井摂人に話を聞いてきました。

 

最近は、日本市場に興味を持ったアメリカの通販会社を手伝うこともあるという玉井。アメリカと日本、どちらも通販が盛んな国だと言われていますが、その実情や背景に違いはあるのでしょうか…?

 

アメリカとの比較を通して改めて見えてくる、日本のインフォマーシャルの特徴とは…?

 

 

国土の広さと、通販市場の関係?

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Q.日米ではいずれも通販などダイレクトマーケティングが盛んだと言われていますが、その背景とは?

「世界的に見て、ダイレクトマーケティングの市場規模としては、1位がアメリカ、2位がカナダ、3位がヨーロッパ圏と日本だと言われています。ただ、その背景については違いがあると感じています。

 

まず、アメリカは一言でいうならば国土が広く、買い物する場所が遠い。ロサンゼルスやニューヨークなどの都市部は日本と同様に店も多いですが、都市部からほんの少し離れただけで、途端に何もなくなります。

 

以前、商談でニューヨークに出張していた際、ハリケーンの影響で飛行機がしばらく運休になってしまったことがありました。どうしても日本へ戻る必要があり、車で2日間かけて約1600km離れたシカゴまで移動したのですが、そのとき目にしたハイウェイ沿いの風景は、10分の9くらいがひたすら牧場と、とうもろこし畑という感じでした。

 

都市部はほんの一部で、大勢のアメリカ人がそういった郊外に住んでいるんです。周りにお店もほとんどないですし、電話一本でモノが買える、Webで注文したらモノが届くというのは、すごく便利なことですよね」

 

Q.日本も世界3位程度と通販が盛んですが、その背景に違いはありますか?

「日本はアメリカと比較すれば国土も狭く、店舗も近くに数多くあり、すぐにお店へアクセスすることができます。

 

そこで通販では早いうちから何かしら、「そこでしか買えないもの」を提供するという販売方法が発展してきました。例えばテレビ通販でも「今から30分以内にご注文いただいた方限定!」など条件を提示して限定品、限定価格を打ち出すなどの手法です。

 

もちろん複合的な背景がありますが、両者の違いに着目すると、アメリカは距離的な理由、日本は、国土は狭いながらも限定販売など売り方で工夫してきた背景から、通販市場が成長を遂げてきたと言えるのではないでしょうか」

 

 

医療保険制度の違いによる、インフォマ商材の違い?

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Q.特にインフォマーシャルで扱う商材について、アメリカでの傾向は?

「距離的な理由から食料品や日用雑貨まで全般的に扱ってはいるものの、インフォマーシャルの中でも多いのは、キッチン用品などの雑貨、そしてフィットネス関連の商材です。インフォマーシャルの上位には常に、ホームフィットネス用のDVDや、筋トレ器具がランクインしていますね」

 

Q.日本での傾向と比較して、言えることは何でしょうか?

「日本のインフォマ―シャルは、サプリメントなどの健康食品が多くを占めています。逆にアメリカでは、サプリメントなどのインフォマーシャルは扱っていないわけではないですが、日本と比較すると顕著に少ないと言えるでしょう。

 

これには、日米の医療保険制度が異なることが影響していると考えられます。日本では皆が健康保険に入り、医療費は実際かかった費用の何分の一を負担する形ですが、アメリカでは全額自費負担になってしまう。つまり、病気になると医療にかかるお金がものすごく高いんです。

 

だからアメリカの人々は、健康に関する脅迫観念的な『私は健康でいないといけない』といった意識がすごく強いんですね。アメリカは予防医療型と言われるのもこのような事情があるからです。

 

そのためサプリメントは文化として備わっていて、誰でも、すでに何かしらのサプリメントは飲んでいるという状況です。生活必需品に近い感覚でしょうか。スーパーへ行けば、サプリメントの棚がすごく充実していて、そこで不自由なく豊富な種類から選択して買えてしまうんです。

 

サプリメントは前提として、さらに体を鍛えたいという、より健康意識の高い人に向けたフィットネス関連商材が求められているとも言えるかもしれません」

 

 

29分のインフォマーシャル1本、制作費に1億円もありうるそのワケは…?

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Q.インフォマーシャルの制作費にも違いがあるのでしょうか?

「もちろん内容にもよるので一概には言えませんが、29分のインフォマーシャル1本制作するとして、アメリカでは1億円程かけることもあるそうです。

 

なぜそこまでお金をかけられるのか。いろいろ話を聞いてみると、日本ではひたすら、自社の顧客化をして売っていくというのが好まれている一方、アメリカでは、最終的にはリテール(小売)に商品を売っていきたいというねらいがあるんです。そのために完成度の高い映像を作ってイメージを向上させていきたいんですね。

 

確かに、アメリカと日本ではリテールの規模も違えば、流通の違いもあります。例えばウォルマートのような世界最大規模のスーパーマーケットチェーンに商談が決まれば、一発で何億というモノが売れますよね。

 

インフォマーシャルを直接の販売契機としてだけ捉えるのではなく、その先にリテールへの販路開拓を前提とする。そのことでインフォマーシャルの制作費が高額でも元をとれる、というのは事実だと思います」

 

さて、今回は日米のインフォマーシャル比較をテーマに話を聞いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

 

ひとくちに通販が盛んと言っても、その背景や商材、目的には国や地域によってやはり違いがあります。今後もしっかりと現地の状況を見極め、それを活かした形でのご提案を続けていきたいと思います。

 

 

 

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