こんにちは。トライマーケット編集部の樋口です。

 

日本百貨店はこのたび、沖縄最大級の流通企業であるリウボウグループの傘下である株式会社リウボウインダストリー(以下リウボウインダストリー)と、相互の商品供給や商品開発を中心とした業務提携契約を締結しました

 

今回は、同社取締役CFOの宮嶋 直に、今回の業務提携で実現されることや両社が見据える今後の可能性について聞きました。

 

「身近な日本」として人気を集める沖縄

日本百貨店 宮嶋氏
          株式会社日本百貨店 取締役CFO 宮嶋 直
 

Q.今回の業務提携に至った背景について伺います

日本百貨店は日本各地の優れた製品を多くの人に知ってもらい、それらを流通させた収益をその生産者に還元することで継続的な生産活動を支えています。これまでの取り組みで、こうした製品の魅力は日本人のみならず、海外の人たちの目にもとまるようになりました。

今回提携したリウボウグループは沖縄で最大級の流通企業であり、傘下には沖縄で唯一の百貨店である「リウボウデパート」や県内に13店舗を展開するスーパーマーケット「リウボウストア」、また、コンビニエンスストア「沖縄ファミリーマート」(319店舗)を運営するなど、地域生活を支えつつ観光地としての沖縄の発展をリードしている企業です。(※店舗数は2017年6月現在)

一方、ここ数年の国を挙げてのインバウンド施策が奏功し、現在日本を訪れる外国人観光客は増加の一途をたどっています。沖縄も例外ではなく、特にアジア圏からはその立地から「身近な日本」として人気の旅行先となっているのです。昨年度の日本全国の訪日外国人観光客は2404万人、そのうち1割近い約213万人が沖縄県を訪れています。

そうした背景の中、リウボウグループは「沖縄をゲートにして日本各地の逸品を世界に発信していきたい」という思いのもと、従来メインで取り扱っていた沖縄産の製品に加え日本各地の優れた名産品を自社の店舗内に展開することを考えていました。そこで、日本全国の職人や生産者と多くのつながりを持つ日本百貨店との協業が実現したというわけです。

 
沖縄県入域観光客数
▲平成28年度(グラフ内に赤で表示)の沖縄県の入域観光客数は876万9200人(前年比110.5%増)で、国内客・外国客ともに過去最高を記録
 

Q.具体的にはどのような展開をお考えでしょうか

まずはリウボウグループのネットワークを活用して、沖縄県内で日本各地の名品に触れられる環境を作りたいと思っています。具体的な実施策は現在調整中ですが、イメージとしてはリウボウグループの展開する各店舗内に日本百貨店コーナーが展開されるという感じでしょうか。。

第二ステップとしては、具体的にインバウンドを見据えた展開を考えています。たとえば空港内でのショップ展開などですね。首都圏でも最大級のターミナル駅である東京駅構内にショップを構えていますが、多くの人が行き交う交通機関のスポットへの展開は重点戦略のひとつと考えています。インバウンド施策で考えれば、空港に拠点を構えることは積極的に取り組んでいきたいことですね。

また、将来的にはリウボウグループが既に展開している台湾を始めとするアジア市場での展開も一緒に取り組んでいきたいと思っています。日本百貨店ならではのマーチャンダイジング力とリウボウグループのネットワークを活用し、より広く展開していければと考えています。

新たな市場としての大きなポテンシャルに着目

 
店頭の様子_1000
▲「リウボウデパート」にて開催された催事イベントの様子
 

Q.今回7/4から催事イベントを行ったそうですね。いかがでしたか

はい、国際通りにあるデパートリウボウで1週間の催事イベントを行いました。私も現地に行ったのですが、反響としては非常に良かったですね。これまでの首都圏での経験上、日本百貨店の利用者は30~40代の女性が多いのですが、沖縄では20代の若い方にも多くご利用いただきました。店舗内でのお客さんの滞留時間も長かった印象です。一通りご覧いただいて商品を購入された後も、また見てまわるといった感じで。沖縄でこうした各地の名品を取り扱うようなイベントがあまりないということと、日本百貨店で取り扱うひとひねりある洒落た品々が若い人たちの興味をひいたのではないでしょうか。

人気があったのは銅製のタンブラーや桐製の米びつなど。これも沖縄ではちょっとめずらしい商品なのかもしれませんね。今回の催事はお天気にも恵まれ、時期的にも良かったようです。沖縄といえば台風などに左右されますからね。

 
商品陳列1_1000
▲江戸の粋をあしらった「守袋」も、注目度の高かった商品のひとつ
 

 
商品陳列2_1000
▲デパートと同時に催事を行ったスーパーマーケット「リウボウストア」の専門コーナー
 

Q. 今後の展開をお聞かせください

まずは中長期目標として沖縄単体での売上が1億円を超える規模に育てていきたいですね。ポテンシャルはじゅうぶんにある市場だと考えています。

また、これは沖縄に限らずですが、日本百貨店としてはより積極的にインバウンド施策に取り組んでいきたいと思います。ここ数年の流れからもインバウンドは好況。これから2020年のオリンピックイヤーに向かって、ますます加速していきます。首都圏で展開する秋葉原や横浜赤レンガ倉庫などのショップへ来店する外国人観光客数も増えていますし、外国人向けの商品ラインナップや免税対策など、インバウンド向けの積極的な取り組みは行っていきたいですね。

 
メディア取材風景_1000
▲イベントの様子は沖縄のメディアにも取り上げられました

 

以上、日本百貨店の宮嶋に聞きました。

 

日本国内ではリゾート地として観光客が訪れるイメージの沖縄には、「アジアとのゲート」というもう一つの顔がありました。

 

国内の商圏としてもまた異なる一面をもつ沖縄は、新たな市場として大きな成長を見込めることでしょう。

 

日本のみならず世界をステージに見据えた日本百貨店の今後の取り組みに、
どうぞご期待ください。

 
*  *  *
 

【参考】沖縄が展開する巧みなインバウンド施策「Be.Okinawaプロジェクト」

 

近年、沖縄県を訪れる観光客は目覚ましい勢いで拡大しています。2016年には入域観光客数が876万9200人と対前年比10.5%の増加となり、4年連続で国内客・外国客ともに過去最高を更新しました。とくに外国人観光客は、前年比27.5%増の212万9100人となり、初の200万人台を記録しました。2017年に入っても増加の勢いは続いています。

 

 関連データ:「平成28年度 沖縄県入域観光客統計概況」 
 http://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/14734.html

 

これら観光客誘致の成功要因としては、官民あげてのプロモーション活動や国内外の航空路線の拡充やクルーズ船の寄港回数が増えたことなどが奏功していると考えられます。「Be.Okinawaプロジェクト」は、海外における沖縄ブランドの浸透を目的として2013年に沖縄県が立ち上げた観光プロジェクトです。

 

本プロジェクトでは2014年から、外国人の視点で沖縄の魅力を伝えるドキュメンタリー動画の制作・公開を手がけていますが、近年多くの行政がPR動画を制作する中でも国内屈指の出来ではないかと評されています。

 

TheSecretisOut_1000

 

「Be.Okinawaプロジェクト」の始動以来、沖縄県を訪れる外国人観光客数は上昇し続けており、2013年から2015年までの2年間で、62万人から167万人へ増加・261%の上昇率を記録しています。2021年までの達成目標としていた200万人をすでに2016年度にて達成、現在さらなる成長を目指しています。

 

<関連サイト>
沖縄公式サイトキャプチャ
「Be.Okinawa」公式サイト          「沖縄インバウンドnet.」
 http://www.visitokinawa.jp/        https://inbound.ocvb.or.jp/oin/

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