こんにちは。インドネシア担当の西岡です。

 

ムスリム最大のイベントである「ラマダン」と、「ラマダン」を終えた彼らが迎える「レバラン」「レバラン休暇」。

 

後編では、「ラマダン」後に迎える「レバラン」「レバラン休暇」についてご紹介します。

 

 断食明けのお祝い「レバラン」と「レバラン休暇」

 

およそ30日間にわたるラマダン期間を終えて迎えるのが、断食明け大祭の「レバラン」です。正式には「イドュル・フィトリ」と呼ばれ、ラマダン明けの2日間行われます。この2日間は、ラマダン期間に我慢していたごちそうを食べたり煙草を吸ったりして、家族や仲間とともに過ごします。そしてこの「レバラン」の後にやってくるのが「レバラン休暇」という一斉休暇です

 

今年の「レバラン」は6月25日(日)・26日(月)の2日間ですが、今年は6月23日(金)・27日(火)・28日(水)を政令指定休日とされたため、多くの企業が6月23日~7月2日(日)までの10日間を一斉休日としています。

 

レバランを祝う看板_1000
▲街に貼り出されたレバランを祝う看板

 

 「レバラン休暇」の過ごし方とジャカルタの街

 

「レバラン休暇」のもっとも代表的な過ごし方は「Mudik」(ムディッ)と呼ばれる田舎への帰省です。イメージとしては日本のお盆や年末年始といった感じでしょうか。ジャカルタに出稼ぎに来ている人たちが一斉に帰省するため、幹線道路はものすごい渋滞に見舞われます。帰省前は田舎へのお土産を購入する人でスーパーなどは大混雑となります。また、田舎にいる子どもたちにお小遣いをあげるために、10,000ルピア(日本円で100円以下)などの細かいお金に換金するなどの準備もします。

 

レバラン前の風景_1000
▲レバラン休暇前の買い物客でにぎわうスーパー

 

日系企業も同様に休業することがほとんどで、駐在員もジャカルタから日本に一時帰国したり、インドネシア国内や海外に旅行をすることもあります。しかし、日本のお盆や年末年始などと同様にチケット代をはじめとする関連コストは通常の1.5~2倍に高騰、予約すら難しい状況になるため、半年前から予約する人もいるほどです。

 

そして、多くの人が帰省した後のジャカルタの街はとても静かになります。普段は渋滞が激しいジャカルタですが、主要道路などには数える程度しか車が走っておらず、どこへ行くにも快適です。タクシーも普通につかまりますし、昼間は大半のお店が営業しています。また、ゴルフ場は空いているうえに特別価格で安く利用できます。

 

 「レバラン休暇」の消費行動と国民性

 

もともとインドネシアの人は貯金をするという概念があまりなく、もらった分はすべて使う人が多くみられます。賃金よりも生活コストが高いため貯金をする余裕がないということもありますが、イスラム教では「持てる者が持たざる者へ分け与える」という考え方があるため、貧しい人への寄付や食事をごちそうするなどでお金を使うということも一般的です

 

「レバラン休暇」時期には、「THR」という賃金1か月分程度のレバラン手当ボーナスが支給されるため、この時期はよりいっそう消費行動が活発になるといえるでしょう。前述の田舎へのお土産や子どもへのお小遣いなど、いつも以上にお金を使うことが多くなるようです。

 

レバラン向け商品1_1000
▲レバラン(イドュル・フィトリ)向けの商品。お菓子がたくさん!

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▲レバラン向けの広告。ムスリムの購買欲を刺激するのでしょうか

 

一方、インドネシア国内で経済の多くを動かしている中華系インドネシア人たちは貯金や投資に余念がないという印象です。中華系の教えというのでしょうか、母国以外で常にマイノリティとして暮らす上でのハングリー精神と、お金=保険という考え、将来に対する投資という視点が中華系インドネシア人にはしみついているように見えます。そのため、経済の成長とともに貧富の差が開いていくように見受けられます

 

最後に、この期間の注意点としては、ラマダン期間は空腹で気分が荒ぶるなどが原因でトラブルが起こりやすいという一面もあります。また、レバラン休暇を過ごすお金目当てのスリなども多発すると聞きますので、この期間にインドネシアをはじめとするムスリムの多い地域を訪れる際には十分ご注意ください。

 
 
 

2回にわたりお届けした今回のレポート、いかがだったでしょうか。
「ラマダン」はよく聞きますが、「レバラン」や「レバラン休暇」は初めて耳にする方も多いのではないかと思います。

 

経済活動はしているとはいえ、ラマダン期間の約1ヶ月はビジネス的には停滞期。インドネシアでのビジネス展開の際には考慮が必要なイベントと言えるでしょう。

 

最後に少しふれた人種による消費行動や貯金・投資に対する考え方の違いも、現地でのビジネス展開をする上でのターゲット層選定などのひとつの要素となりそうです。

 

実際にインドネシアでのビジネス展開をご検討の際には、詳細情報とともにご提案させていただきます。
どうぞご相談ください。

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