こんにちは。インドネシア担当の西岡です。

 

インドネシアでは先週末まで1か月間、イスラム教徒にとって最大のイベントである「ラマダン」(断食)期間を迎えていました。

 

「ラマダン」はイスラム教の行事としてもよく知られていますが、「ラマダン」を終えた彼らが迎える「レバラン」「レバラン休暇」はご存知でしょうか?

 

本レポートでは、ムスリム最大のイベントである「ラマダン」と、その後迎える「レバラン」「レバラン休暇」について2回にわたってご紹介します。

 

 ムスリム最大のイベント「ラマダン」

 

イスラム教における重要なイベント「ラマダン」。イスラムに背く考えと行いから自身を清めるために行うムスリムの義務のひとつで、世俗的な欲を捨てることで神の恵みに感謝することを目的としています。その実施期間はヒジュラ暦(イスラム)のカレンダーにより毎年変わり、2017年は5月25日(金)~6月24日(土)に実施されました。

 

ラマダン期間には、妊産婦や乳幼児・高齢者、また病気などのやむを得ない理由がある人以外のムスリムは日中断食を行います。この期間のムスリムは、日の出前の朝4時半ごろにスフールと呼ばれる食事を摂った後、日中は一切飲食せず、また日没後にイフタールと呼ばれる食事を摂ります。日の出から日没までは一切の飲食が禁じられ、水などの水分摂取や喫煙者はたばこを吸うこともできません。自身の唾をのみこむことも禁止だといいますから、ムスリムにとってはかなり厳しい日々となります。

 
ラマダン中食べられる食べ物_1000
▲ラマダン期間に食されるナツメヤシ(デーツ)の実。イフタール(夕食)の最初に3粒食べる。ラマダン時期は通常の3倍以上の売り上げになるとか。

 

ラマダンにより空腹を経験することで飢えた人への共感を育むことから、ラマダン期間中は貧しい人への寄付や、日没後の食事イフタールをごちそうするということも盛んに行われるようです。

 

 ラマダン期間の街の様子、会社や学校は?

 

インドネシア国民の約90%を占めるムスリム。当然社会生活にも影響があります。多くの会社では終業時刻を早めるために、始業時間の前倒し・昼休憩時間を短縮します。たとえば、通常8時半から17時半・昼休憩が1時間の会社では、始業を8時・昼休憩を30分間にし、終業時間を16時半にするという具合です。学校などでも同様の対応が見られるようです。

 

この期間は、ムスリム以外の異教徒は配慮を持って過ごすことが必要です。たとえば普段ムスリムと昼休憩をともにしている場合はムスリム以外と過ごしますし、日中水分を取る場合などはムスリムの目につかないよう個室に入るなどしたりします。

 

トライステージが拠点を持つジャカルタは外資系企業や観光客も多いため、レストランなどの営業状況にはあまり変化はありませんが、レストランの窓にカーテンをかける店が見られるようになります。また、多くの店が酒類を提供しなくなります。酒屋などはラマダン期間中、店を閉めるところも出てきます。

 

ラマダン中の酒屋_1000
▲ラマダン期間中の酒屋。営業中のようですが、カーテンで目隠しをしています

 

異教徒の目から見ると、この期間中のムスリムは眠そうだったり、疲れの色が見えることが多い印象です。普段とは違う生活をしているため、やはり仕事の生産性は全体的に落ちる傾向にあります。なかなか異教徒にはなじみのない取り組みですが、イスラム教では宗教>仕事という価値を持つため、異文化の中でビジネスを行う以上は理解を示していくことが必要でしょう。

 
 
 

いかがだったでしょうか。
前編ではイスラム教最大のイベントである「ラマダン」についてお届けしました。

 

宗教によって日常へのその影響度合いはさまざまですが、特にイスラム教は厳しいように感じますね。宗教が優先される価値観なども異教徒にはなかなか理解しがたいものがあるかしれませんが、海外ビジネスを展開する上ではその土地の文化を理解し受け止めることは非常に重要です。

 

後編では「ラマダン」後に迎える「レバラン」」「レバラン休暇」についてお届けします。

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